【乳歯列期】
0期治療とは Primary dentition
3~6歳頃は、矯正治療の“準備期”ともいえる大切な時期です。この時期に行う治療は「0期治療」と呼ばれ、永久歯が生える前の乳歯列期に、あごや顔の骨格が健やかに発育できるようサポートすることを目的としています。乳歯が生えそろい、咀嚼や発音など口を使う機能が急速に発達する一方で、指しゃぶりや口呼吸といった習慣が残ると、あごの成長や歯並びに影響を及ぼすことがあります。
この段階では歯を大きく動かすのではなく、あごの幅や位置を整えたり、口まわりの筋肉の使い方や呼吸・嚥下を正しく導いたりすることが重視されます。骨や筋肉がやわらかく、習慣の影響が出やすい乳歯列期だからこそ、小さな働きかけが将来の大きな変化につながります。適切なサポートを受けることで、後の本格的な矯正治療もよりスムーズに進めやすくなり、調和の取れた歯並びや噛み合わせへとつながります。
こんな症状はありませんか? Do you have this habit?
いつも口が
開いている(口呼吸・お口ぽかん)
指しゃぶりや
爪噛みが
続いている
食事の際に
クチャクチャ音がする(咀嚼や嚥下の問題)
舌を前に押し出す
ようなクセがある
(舌突出癖)
頬杖をよくつく、
うつ伏せで
寝ることが多い
CHECK!
乳歯の時期に見られる何気ない癖や習慣が、実は歯並びや骨格のバランスに大きく関わっていることがあります。上記のようなサインが見られる場合は、早めにご相談いただくことをおすすめします。
これらは、見た目だけでなく、あごの成長方向や歯並びに影響する可能性があります。放っておくと永久歯にまで影響が及ぶこともあるため、小さなうちに正しい発育の方向へ導いてあげることが大切です。
- APPROACHES
MFT(口腔筋機能療法)
による筋機能の改善歯並びやあごのバランスは、骨格だけでなく、舌や唇、頬といった筋肉の使い方とも密接に関係しています。 MFT(Myofunctional Therapy:口腔筋機能療法)は、こうした口腔周囲の筋肉を正しく使えるように導くトレーニング法です。
たとえば、舌が正しい位置に収まっていないことで歯列が広がらず、歯並びが乱れてしまうケースもあります。
MFTでは、お子さまの年齢や発達段階に応じて、遊びの延長のような形で取り組めるプログラムを実施しています。継続することで、呼吸・嚥下・咀嚼などの基本的な機能が自然と整い、健康な口腔環境を育む基盤づくりにつながります。 - APPROACHES
正しい呼吸・嚥下・姿勢の習得
乳歯列期は、呼吸の仕方や飲み込み方、日常の姿勢などの基礎が身につき始める重要な時期です。この段階で正しい習慣が定着していれば、自然とあごの発達もスムーズになり、将来的な矯正治療の必要性や負担を減らすことが期待されます。
鼻呼吸を身につけることで口呼吸による弊害を避けられますし、舌を適切な位置に置けるようになることで歯列にかかる圧力も整います。
また、椅子に座る姿勢や食事中の動作など、日常のちょっとした動きも、あごの成長やかみ合わせに大きく影響します。
烏丸十条マス歯科・矯正歯科では、こうした基本的な身体の使い方に関しても丁寧に指導を行い、保護者の方とも連携しながら、健やかな発育を支えています。 - APPROACHES
プレオルソによるやさしい矯正
乳歯列期には、「プレオルソ」と呼ばれるマウスピース型矯正装置を使用することがあります。やわらかい素材でできており、夜間や決められた時間に装着することで、あごの位置や舌の動き、筋肉のバランスを整えることができます。
プレオルソは、取り外しができるため衛生面でも安心で、痛みや違和感が少ないことが特長です。
治療への不安が少ない年齢から使い始めることで、矯正に対する抵抗感を抑え、段階的に進めやすくなります。
また、プレオルソは口呼吸の改善や舌のトレーニングにもつながるため、見た目の改善だけでなく、機能面の向上にも貢献します。お子さまの発育状況に応じて、無理のない方法を選択しています。
将来のための
“準備”としての矯正
3~6歳の時期に始める矯正は、本格的な治療をスムーズに進めるための「準備」として、とても重要な役割を果たします。この段階で正しい骨格の成長と、機能的な口まわりの使い方を身につけておくことで、将来的な抜歯や大がかりな治療のリスクを減らすことができます。
お子さまの健やかな成長のために、今できるサポートを少しずつ積み重ねていくことで、結果として良い成果につながるでしょう。少しでも気になるサインがある方は、ぜひ一度ご相談ください。